「FRACTAL AX8 インピーダンスMOD」

FRACTL AX8 フロアタイプのモディファイご依頼は初めてでした。

FX2になってからはマルチ特有のピッキングの暗さも解消されノーマルでの優秀さが光ります。
FX2をインピーダンスMODするにあたって着目したのはINPUT2のバランス入力です。
当社のスタビライザー(PHC-VIC・PHC-VIC 30V・SSPH-HG2)はバランス出力が可能です。
ハイインピーダンス値であるINPUT2をインピーダンスMODして
スタビライザーとバランス接続する事が可能となります。
しかしAX8にはINPUT2が無くIN1(INSTRUMENT)しかありません。
IN2(FX RTN)がバランス入力なので内部パラメーターで
IN2(FX LOOP)の位置をIN1の直後に並べ替え、
IN1(INSTRUMENT)を使わずスタビライザーからTRSケーブルで
IN2(FX RTN)に繫ぐ事でバランス接続する事にしました。
お預かりした当初はオーナー様の使用方法と同様の接続方法
AX8からアンプのリターンへ接続してサウンドチェックしましたが、
どうも音が馴染まない感じがして一体感が出ず
現場にあるアンプのリターンを使ってのサウンドメイクは難しそうだなと言う印象でした。
モディファイ箇所は計3ヵ所(IN1・IN2 L&R)です。
もちろんIN1を使って通常のアンバランス接続も可能です。
今回同時に購入していただいたスタビライザーは「SSPH-HG2 HighGradeSoundStabilizer」です。
2017年モデル一覧よりご参照下さい。
今まで18Vで使用したい時は外部電源で18Vアダプター等を用意する必要がありましたが、
PHC-VIC 30VとSSPH-HG2は外部電源が9Vでも
内部で30Vに昇圧安定する新設計の電源回路を持っています。
この30VスタビライザーとインピーダンスMODを施したAX8の相性は抜群でした。
直接プラグインした時に比べ音の密度と解像度が飛躍的に向上しました。
「少し良くなったかな?」「音が変わったかな?」とか微妙な変化ではありません。
この変化はご依頼品ご返送後のオーナー様からのメールで
「さっそくスタジオで音出ししましたが以前使っていたAX8が
まるで別物に感じるくらい音質がよくなっていて大変びっくりしました。」
そのスタビライザーとインピーダンスMODの相乗効果を充分にご体感いただけたようでした。
30Vスタビライザーはギターの微弱なパッシブ信号を根こそぎ引き出し、
高密度・高解像度のローインピーダンス信号に変換する非常に重要な役割を担っています。
この高密度・高解像度のローインピーダンス信号を余す事無くAX8に伝達するには
AX8のインプットをローインピーダンス専用にモディファイする必要がある訳です。
こちらでも色々テストさせていただきましたが
アンプのリターンに接続して鳴らした時の馴染みが悪く
一体感の無かったサウンドがかなり良くなりました。
もちろん繫ぐアンプとキャビネットのキャラクターの音は付き纏いますが、
アンプとの馴染みが良く一体感が出るため非常に音作りがし易くなりました。
この効果はフロアタイプであるAX8の優位性を更に高める事に貢献しています。
FRACTAL AXE FX2をインピーダンスMODを始めた頃は
30Vスタビライザーがありませんでしたので、
一世代前のFRACTAL AXE ULTRAを
インピーダンスMODした時のような劇的な変化は望めませんでした。
進化した30VスタビライザーとAXE FX2やAX8の組み合わせによる変化は
「劇的」と表現して差し支えないかと思います。
AX8をインピーダンスMODしIN2(FX RTN)を使ったバランス接続させた際の注意点があります。
・内蔵チューナーが使えなくなる
・アンプに繫いだ音とXLRアウトの音をミックスして使えなくなる
以上です。
この記事に関するお問い合わせやご相談は下記アドレスまで。
evaemis@power.email.ne.jp
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