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アンプ改造依頼色々 その②

前回から一ヶ月以上経ってしまいましたがアンプ改造シリーズです。

今回はいつもお世話になっているギタリストの方々から

ご依頼いただいたアンプのご紹介です。


キュウソネコカミ オカザワ様

FENDER USA HOTROD DEVILLE
P1050917.jpg

以前INPUTとRETURNの入力部分のインピーダンスMODを施しました。

今回は更に良くする方法があるかとのお問い合わせでした。

こちらからのご提案は以下の2点です。

・EQシフト改造

イコライザーの各周波数帯を見直し、

どう動かしても狙ったポイントで効かないピンボケ気味のEQが

キビキビ的確に狙ったサウンドへ調整出来るEQへと変貌します。

ローエンドは絞ってもスカスカにならずタイトに、ミドルは音を前へと押し出せるポイントに、

トレブルとプレゼンスはツン裂くような高域にはならず煌びやかさをコントロール出来ます。

・ポイントトゥポイント改造

薄いプリント基板のパターン配線特有の鈍臭い立ち上がりと音の細さから開放されます。

全ての配線をポイントトゥポイントにする訳では無く、

音の重要な経路のみピックアップし繫ぎ直します。

コスト面では安くついてサウンド面での効果は抜群です。

ブティック系アンプのような鋭い立ち上がりとなり鈍臭さと音の細さから開放されます。

元々基礎設計は良く出来たアンプですので大量生産品にありがちな

コストカットされている部分に手を入れてあげれば大変身します。

HOTRODシリーズをお使いの方は音に不満で買い換える前に是非ご相談下さい!



BAROQUE 圭様

MARSHALL 1987X Reissue
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以前「EVH5150Ⅲ」をインピーダンスMODさせていただいておりました。

新たなギターサウンドの模索として「MARSHALL 1987X」が選ばれました。

今回手を入れさせていただいた部分はINPUTとRETURN部分のインピーダンスMODです。

4INPUT仕様なのでチャンネルリンクしても音ヤセしないよう、

全てのINPUTをインピーダンスMODするべく内部に新規で基盤を製作しました。

チャンネル1チャンネル2それぞれ独立しても使えますし、

チャンネルリンクさせてもノーマルだと1から2へ繫いだ際に2のINPUT部分で

ローがゴッソリ持って行かれますがそういった心配は皆無です。

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RETURN端子はこのアンプに限った事ではありませんが、

多くのチューブアンプのRETURN部分は入力値がハイインピーダンスなので

エフェクターを繫ぐとこの部分で大幅にローカットされてしまいます。

ミキサーなどで並列に繫いでも対処療法に過ぎず根本解決にはなりません。

エフェクトループにエフェクター繫ぐと音が痩せるのでどうしたら良いか?

と、よくお問い合わせいただきますが

このRETURNのインピーダンス問題をクリアする以外に根本解決はあり得ません。


SCHON様

MARSHALL JMP SUPER LEAD 100W
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1980年前後のJMPです。

あまり人気が無く状態が良いものでも安価で入手出来る狙い目のモデルだと思います。

届いてパッと音を出してみた印象。

「音が速い!音圧がすごい!」

現行Reissueの様な使い易くマイルドな印象とは間逆の出音ですね。

時間を掛けて弾きこんでいくと何故人気が出ないのかよく分かります。

爆音過ぎ、低音が暴れる、そんなに歪まない、エフェクトループも無い、

音が速いのはいいが耳に痛いツン裂く高域がどうEQをイジっても取れない、

実際このままだと使いようが無いと言うのが正直な感想です。

今回は改造前提での購入だったので色々手を入れました。

・4INPUT部分のインピーダンスMOD
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・EQシフト改造

内容はHOTRODと同じです。

・ポイントトゥポイント改造

内容はHOTRODと同じです。

・電源インレット改造
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・マスターボリューム増設
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フロントパネルのプレゼンスをリアパネルへ移設しマスターはプレゼンスの場所へ取り付けました。

一般的な取り付け方ですと音量を下げるとインピーダンスも下がるので、

ハイ落ちしてヌケなくなってしまいます。

独自のマスターボリューム増設方法ですのでオーディオボリュームのような

綺麗なカーブで音量が調節出来るようになります。

※極小音量で良い音がすると言う意味合いではございません。

・SEND/RETURN増設
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今回は真空管を使わずソリッドステートの回路を設計し取り付けました。

SENDとRETURNにそれぞれ独立したボリュームを設けていますので、

コンパクトエフェクターからラックエフェクターなど

様々な入出力レベルに対して細かく最適なレベル設定が可能です。

その増設SEND/RETURNが早速RECの現場で役に立ったとお写真をいただけました。

初代5150とMESA RECTIをプリアンプとして使いJMPのパワーアンプを使ってのRECです。

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それぞれのアンプをそのまま使って音作りするより

JMPパワーアンプを使った方が倍音の拡がりや押し出し感が全然違って

エンジニアの方も納得のサウンドが作れたそうです。

RETURNボリュームでプリアンプとのレベル調整が緻密に出来た事も良かったとの事でした。

5150やRECTIのパワー管をEL34に換えれば出る音では無いんですよね。

JMP、この時代のトランスやパーツを含めた色々な構成でしか出せない音だと思います。
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JMPの中古は10万~15万程度で入手可能なようなのでベースとして購入し、

今回施した改造メニューを取り入れればJMPの良さを残しつつ扱い易さに加え、

サウンドにより磨きを掛けた極上のMARSHALLサウンドが手に入ります。

ハイゲインアンプは巷に溢れていますが歪むか歪まないかギリギリの

極上のクリーン・クランチサウンドが得られるアンプはホント少ないですよね。

各チャンネルでキッチリ分けられたクリーン・クランチ・ハイゲインでは出せない音です。

良いドライブペダルと組み合わせれば

素晴らしいMARSHALLディストーションサウンドも作り出せますね。


この記事に関するお問い合わせやご相談は下記アドレスまで。

evaemis@power.email.ne.jp

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Author:evaemis
大阪でオリジナルエフェクターやエフェクトボード製作を手掛けるEVA電子楽器サービスです。

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