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FENDER BASSMAN マスターボリューム取付とチャンネルリンク

以前ブログで記事にした「TWEED BASSMAN にリバーブタンクを装着

この記事をご覧頂いてお問い合わせ下さったお客様からのご依頼。

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アンプを入手したもののあまりの爆音に驚いたとの事で、

マスターボリューム取り付けが必要だと感じたようです。

アンプ無改造で音量を下げようとするとアッテネーターが思い浮かびますが、

このBASSMANはスピーカー4本がそれぞれパラでアンプに接続されています。

これでは簡単にスピーカーケーブルを足してアッテネーターを据え置く事が出来ません。

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よく見受けられるマスターボリュームの取り付け方法では、

ボリュームを下げるとインピーダンスが下がってしまい

音量が小さいほどハイ落ちしてしまいます。

EVAでは音量変化によるインピーダンス下降を抑えた独自の方法で

マスターボリュームを追加します。

深夜自宅で鳴らすような極小音量で良い音がしますとまでは言いませんが、

スタジオやライブで一人爆音にならずにすむ適正な音量でセットアップ出来ます。

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マスターボリューム取付位置は操作性を考慮し

「BRIGHT1」のジャック部を利用しノブを増設。

もうひとつの改造点はチャンネルリンクです。

内部でBRIGHTとNORMALを予めリンクさせるワイヤリングをします。

ギターインプットは「NORMAL1」を使用します。

「BRIGHT2」「NORMAL2」は使わなくてすむのでフタをしてあります。

P1050217.jpg

BRIGHTチャンネルだけでの音作りをする場合は

NORMAL VOLUMEをゼロにしておくだけです。

チャンネルリンクのサウンドが欲しい場合は

NORMAL VOLUMEを上げていけばミックスされて行きます。

いちいちパッチケーブルを繫ぐ煩わしさから開放されて

直感的にチャンネルリンクサウンドが得られます。

もちろん音量はマスターボリュームで制御出来るので、

いままでフルテンにしなくては得られなかったドライブサウンドが作り出せます。

これはかなり便利です。

MARSHALL1959や1987Xなどの4INPUTタイプのアンプも同様の改造が可能です。


ご紹介したモディファイのご相談やお問い合わせは下記アドレスまで

evaemis@power.email.ne.jp
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特注品「Harmonic Clipper & Booster Kustom K200A Type」

かなりマニアックな特注品のご依頼でした。

Kustom K200A と言う60年代後半に製造されていたアンプ。

現在非常に入手困難なヴィンテージアンプです。

DSCN4108.jpg

このアンプに搭載されていた「Harmonic Clipper」と「Booster」の

サウンドを再現したエフェクターと製作して欲しいとのご依頼。

Kustom K200A 独特のトーンを最大限活かしたギタリストとして有名なのが

Creedance Clearwater Revival (通称CCR)時代のジョンフォガティ。


3:02秒頃から聞けるギターソロのトーン


5:49秒頃から聞けるギターソロのトーン

ファズに近いようなワウの半止めの様な独特のトーンを出すには、

「Harmonic Clipper」と「Booster」がどうしても必要なのですが

アンプ自体が入手困難なので再現する事が大変難しい現状です。

この「Harmonic Clipper」と「Booster」を

当時のオリジナル回路を基にエフェクター化を試みました。

サウンドの核となるトランジスタは可能な限り世界中から当時の物を集めました。

どうしても手に入らない物に関しては現在入手できるヴィンテージ物から厳選し

サウンドコンセプトを崩さないよう細心の注意を払いました。

作動電圧も本物のアンプに内蔵されている回路と同じ13Vとし、

外部からDC15Vを供給する事で内部で13Vに安定化する電源回路を製作。

パーツの収集や回路図の解析、現行パーツの厳選等で製作期間は約4ヶ月。

不鮮明な回路図に加え足らざる部分もありコンピューターシュミレートを掛け解析。

完成品がこちら

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「Harmonic Clipper」と「Booster」個別のON・OFFに加え

全てをバイパスさせるスイッチも追加。

まず「Booster」部

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「SELECTEVE BOOST」6段階のロータリースイッチとなっています。

バリトーンスイッチの様な変化でコモッた1から

トレブリーな6まで多彩なトーンが選択出来ます。

動画で聞ける独特なトーンはこのトーン回路から生み出されます。

「BOOST VOL」は名前の通りブースト量をコントロールします。


そして「CLIPPER」部

clipper.jpg

動画で聞ける歪みはこの「CLIPPER」でしか再現出来ません。

ご依頼主は長年あらゆるエフェクターで再現を試みたそうですが無理だったそうです。

全開にするとファズの様にグシャッと潰れサスティンが伸びて行きます。

このカオティックな世界観を持つ歪みは他で代用が利く物では無いと実感出来ました。


「Harmonic Clipper」「Booster」と内部の

ヘッドアンプ・ミックスアンプ・アウトアンプを含めた回路で構成されています。

オリジナルと違う追加変更は入力のインピーダンスセレクトスイッチの追加と、

ヘッドアンプ部はKustomのプリアンプ、

アウトアンプはパワーアンプを通したサウンドをシュミレートし

単なるエフェクターとは違い一線を画す設計です。

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オリジナルはアンプ内蔵回路でローインピーダンスで繋がれています。

せっかくアウトボード化するのですからギターを

直接入力出来る様ハイインピーダンス入力も設けました。

ローインピーダンス入力では他のエフェクターとの組み合わせが可能です。



試奏はストラト・ジャズマスター・ハムバッカー搭載のギターとJCM800で行いました。

リッケバッカーもKustomアンプも無い環境での試奏でしたが、

ONすると70年代当時の空気感に一気に変わります。

これはもうプリアンプと言ってもいいほど独特のサウンドを持っています。

ヴァイブやエコーを足していくとカオティックやサイケデリックと

形容したくなる世界観がそこに拡がります。

JCM800ではジョンフォガティサウンド完全再現とは行きませんが、

JCM800でこんな音が出せるのかと魅力的なトーンを奏でる事が出来ました。

JCM800での音は動画に収めて公開するように

準備していますので今しばらくお待ち下さい。

極少数ではありますがパーツが揃っている分で同じ物を製作出来るようです。

興味ある方はお問い合わせ下さい。

evaemis@power.email.ne.jp
プロフィール

evaemis

Author:evaemis
大阪でオリジナルエフェクターやエフェクトボード製作を手掛けるEVA電子楽器サービスです。

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