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やっぱり位相

今年一年色々な現場に足を運びましたが、

一番切実な問題と実感したのが「位相」です。

ライブハウスや野外フェスなどでは顕著に逆相の弊害が

聴いて取れるので少し悲しい気持ちにすらなります。

夏フェスの時、出演準備でメインステージの裏を歩いていた時の出来事。

「お!このバンド、ギター良い音させてるなぁ」

と、お手伝いしているバンドのメンバーの方が一言。

「これが逆相の音です、正相の音が裏に飛んで逆相の音が客席に向かって飛んでます。

客席側のギターサウンド聞けばモヤモヤしてて良い音には聞こえませんよ。」

「マジで!?」

とのやり取りがあり実際客席側のギターサウンドはモヤモヤしていて不明瞭でした。

こんな悲しい話ないですよね、一体誰に向かって音聞かせてるんだと。

他でもライブハウスのリハーサルで延々モニターが

聞こえづらいとスタッフとやり取りしアンプの音量を上げたり向きを変えたり。

「だから逆相なんだってば。」

とはなかなか見ず知らずのミュージシャンに言えないんですよね。

高価なギターにアンプにエフェクターを揃えて逆相でライブするより、

ギターをアンプ直で繋いで正相、こちらが客席では良い音で聞こえるんです。

これが真理です。

「まずは位相を合わせる所から」

「バンドの位相を合わせるのは楽器のチューニングをするようなもの」

と言われるまで意識が浸透してくれば音作りはもっと深く追求していけるでしょう。

来年はこの原点に立ち返って色々な現場で活動していきたいと思います。

今年一年ありがとうございました。
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Kanter Audio の衝撃

EVA FACEBOOK にて先行公開中の「Kanter Audio」について所感を。

P1030233.jpg

実はまだ10分程度しか視聴していないのですが、

しかし10分どころか数秒聴くだけで充分衝撃的でした。

正位相の信号のみ最大6dbブースト出来る「Kanter」は以前ブログでも紹介いたしました。

ステレオ仕様にしオーディオの使用に耐えうるようリファインしたモデルです。

さてその「Kanter」をオーディオ環境で聴くとどうなるのか。

正位相で録音されているボーカルや楽器がスピーカーから飛び出して来るような感覚。

音像が立体的になり正に目の前で歌っているような錯覚を起こします。

ボーカルのブレスや吐息、

こんな音まで録音されていたんだと聞きなれたCDでさえ新たな感動を覚えます。

音のステージングが見えると言うか聞き取れるようになるので、

各楽器の立ち位置が明確になり臨場感が増します。

さぁこれをどの様に活用すればいいのか?

もちろんオーディオに繋いでこの感覚を体感してもらうのはもちろんの事、

個人的にはライブハウスのPAに使ってみたいですね。

各楽器の位相をバッチリ揃えた上で「Kanter Audio」を通してPAから出力する。

想像するだけでもワクワクするようなライブになりそうです。

楽器単体で「Kanter」を使っても

ギターやベースのキャビネットの性能が向上したような聴感上の効果。

スピーカーをインチアップしたような迫力、

アンプのダンピングファクターが増したような音のキレ、

指先とアンプが直結しているような音のスピード感、

このウソのようなホントの効果がPAからバンドサウンドとして耳に飛び込んで来るんです。

機材など入れ替えなくてもそのライブハウスの評判が

勝手に上がっちゃうんじゃないかと考えてしまいます。

今年は無理でも来年は協力してもらえるバンドとライブハウスを探して

ぜひとも「衝撃の実験」をやってみたいですね。

Heavenstamp

昨日12月13日はTOKIEさんにお招きいただき

Heavenstamp 大阪ワンマンライブに行ってきました。

P1030231.jpg

アコースティックセットとエレクトリックセットの2ステージ構成。

リハーサルでSally#さんの声を聞いた瞬間「オッ」と思うほど魅力的なボーカリストでした。

打ち上げでアンサンブルでの音ヌケやモニター環境の話題になり、

次回はバッチリ位相を合わせた上でやってみましょうと言う事になりました。

ドラムのMaseeetaさんからはキックの音がいつもモニター出来ないとの話題に。

isoillust.gif

原因は上の図で分かるようにドラマー側では青色の音波で表した逆相の音が

生音として常に聞こえます。

これに対してドラムのモニターからは赤色の音波で表した正相の音が帰ってきます。

これにより逆相の生音とモニターから出る正相の音が互いに打ち消しあう環境が

ドラム周りで起きてしまうのが大きな原因のひとつです。

今の所解決方法のひとつとしてはヘッドフォンでモニターし

生音を一切聞かないようにするしかありません。

以前EVAではドラムのモニター環境について考察した事がありました。

その時のアイデアを形にする事が出来れば打楽器のドラムにも

PhaseControlSystemを導入しモニター環境改善のツールになるかもしれません。

今後の課題です。




それにしてもTOKIEさんのVINTAGE JAZZBASS、強烈に良い音してたなぁ。

音ヤセの原因とは

ブログに書いた事もあり最近インピーダンスマッチングに

ついての問い合わせが多いです。

色々組み合わせや接続順などを試験して分かって来たのですが、

所謂「音ヤセ」の一番の原因はインピーダンスの

アンマッチではないかと言う事です。

例えばアクティブのギターやベースは一番最初の

エフェクターに繋いだ時点でインピーダンスの

アンマッチが起こり既に「音ヤセ」している。

以前ブログでも書きましたがほぼ全てのエフェクターは入力がHi-Z(1MΩ)です。

エフェクターがトゥルーバイパスだとか高級なハンダや配線材を

使っているなどは二の次で、インピーダンスのアンマッチを解決しない限り

根本的な対策になっていないのではないか。

ではパッシブのギターやベースなどのHi-Z出力の楽器は

エフェクターとの入力時点でインピーダンスが

マッチングしているので「音ヤセ」しないのかと言えば違う。

そもそもパッシブ楽器の出力自体が非常に微弱なのでシールドの長さや材質、

繋ぐエフェクターの数などの影響をモロに受けてしまいます。

そのパッシブ楽器の弱点を解消する為に「SoundStabilizer」を

システムに組み込む事で対応してきましたが、

今年「FirstStabilizer」を開発し色々試験する中で状況がかなり変わって来ました。

インピーダンスマッチングや音ヤセに対する考えを根本的に見直し出したのも

「FirstStabilizer」で試行錯誤し始めてからです。

とくに「FirstStabilizer 2way」はパッシブ・アクティブ両方に対応します。

パッシブの微弱なHi-Z信号はより強くよりリアルに

Hi-Zのまま押し出し次のエフェクターへと橋渡しします。

アクティブのLo-Z信号はここでHi-Zに変換されるのでエフェクターとの

インピーダンスマッチングがしっかり取れ音ヤセがなくなるどころか、

アクティブ特有の平面的でのっぺりしたサウンドが立体的になり上質のパッシブ楽器に

なったかのような今まで体感した事のないサウンドに生まれ変わります。

ひとつめの橋渡しがいかに重要かはしっかり検証と実証が出来ましたが、

アンプのセンド・リターンに対するインピーダンスや

ボリュームペダルの接続については

今後もう少し時間を掛けて検証し解決策を見出したいと思っています。

とくにボリュームペダルはHi-Z入力のタイプならどこに繋いでもOK、

音ヤセの解消は高級なハンダ・配線材・ポットやナントカ処理で解消。

と言うのはやはり根本的な解決策ではないような気がしてなりません。

ごくノーマルなボリュームペダルを入手してこれからじっくり検証してみたいと思います。

また「SoundStabilizer」「FirstStabilizer」「FinalStabilizer」3機種の

最も効果的な使い方や接続順なども検証済み次第公開していきたいと思います。

testtest.jpg

アンプの劣化

P1030215.jpg

先日修理したビンテージアンプから取り外したコンデンサーです。

液漏れしてる部分がプクッと膨れ上がっています。

ヒューズが飛んで電源が入らないと言う症状でチェックを開始しましたが、

各所で部品の劣化等が見つかり結構大掛かりな修理となりました。

ヒューズが飛ぶまでは普通に使えていたと思っていたのですが、

メンテナンスを終えて音出しチェックをすると驚くほどローノイズで

ダイナミックレンジが一気に広がりました。

ビンテージや中古で手に入れたアンプは普通に使えていると思っていても、

新品の状態を知っている訳ではないので劣化に気づかずそのまま使っている事が多いと思います。

ノイズが多いような気がする、音量が小さい気がするなど

少しでもおかしいと感じたら一度点検する事をおすすめします。

アンプに深刻なダメージを与える一歩手前で済むかもしれません。
プロフィール

evaemis

Author:evaemis
大阪でオリジナルエフェクターやエフェクトボード製作を手掛けるEVA電子楽器サービスです。

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