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そこに鳴る 藤原美咲さんのベースシステムについて「位相合わせ編」

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ベースマガジン2019年3月号に藤原美咲さんの機材が紹介された事を記念して、

現在のシステムに至る経緯を何回かに分けて紹介させていただきます。

ベースサウンドメイキングの悩みの解決のヒントになればと思います。

最初はバンドのギターボーカルである鈴木重厚さんから

製作中の音源を聞かせてもらった所から始まります。

ベースが逆相でした。

ベース本体がアクティブと言う事で出力が

逆相なのだろうと思いその場でD・Iを貸し出しました。

2PHASE CONTROL D/I(BPHC-1)
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このD・Iの位相切り替えスイッチをINVERT側にしてスタジオで試してもらう事に。

「ベースの音抜けが良くなった」と報告をもらえたのでこれで解決かと思ったのですが。

後日「ライブではベースの音が抜けなくなっている」と報告を受けたので

これはおかしいと思い藤原さんに全ての機材を持ち込んで来店してもらいました。

お会いするのもこれが初めてで去年7月のお話です。

ベース本体、エフェクターボード、アンプ全ての機材の位相を調べました。

調べてみると結構なレアケース。

ベース本体がアクティブ・パッシブ切り替え可能なのですが、

アクティブ時は正相出力でパッシブ時は逆相出力でした。普段はアクティブで使用。

エフェクターボードに入っているエフェクターは特に問題無し。

アンプは逆相出力。

なるほど、これでスタジオとライブで体感した違和感の原因が分かりました。

・D・Iを貸し出す前のスタジオでの位相

元々のスタジオ位相

・D・I貸し出し後のスタジオでの位相

スタジオ位相正相
※DIのアンプ側出力MONI OUTの位相を反転

スタジオではこれで出音が正相になったのでプレイし易くなったんです。

しかしライブではダメなんです。D・Iで位相を切り替えた事で外音に悪影響が。

・D・Iを貸し出す前のライブでの位相

元々の位相

・D・I貸し出し後のライブでの位相

アンプ正相・PA逆相
※DIのアンプ側出力MONI OUTの位相を反転、PA側出力XLR OUTの位相を反転

D・Iで位相を切り替えた事で外音をわざわざ逆相にしてしまっていました。

藤原さんが感じた違和感は全く正しかったのです。

どちらにしてもアンプの出音とステージモニターの出音が正相と逆相で

打ち消しあっていたのでかなり演奏し辛かったのではないでしょうか。

調べてようやく分かった事なのでここからが 2PHASE CONTROL D・I 本領発揮です。

次回ライブではアンプ側と卓側の位相を別々に切り替えて各出力の位相を揃えます。

・次回ライブでの位相

アンプ正相・PA正相
※DIのアンプ側出力MONI OUTの位相を反転、PA側出力XLR OUTの位相はそのまま

これでギターもベースもバッチリ正相でライブが出来ます。

位相を合わせてからが音作りの本格的なスタートです。

そして7月末に初めてライブを見させていただく事に。

つづく。
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ギガマウス

ギガマウスのギタリスト、ユッキー氏から連絡いただけたのが2月だったと思います。

「ツアーで大阪に行くの機材の位相を調べてほしい」

「バンドごと行くのでスタジオを押さえてもらいたい」

機材の位相を調べる事は多々ありますがバンドでご来店は珍しいです。

即いつもお世話になっているスタジオに予約を入れました。

しかし途中機材車にトラブルがあったりで2時間以上遅れたので

今日はもう来ないかなと思っていたら無事到着されました。

スタジオの都合もありたった1時間しか入れず機材もフルセットだったので

音出し出来た時間帯は30分もなかったと思います。

バタバタしながら位相を調べてその後店舗に戻り夜遅くまで色々お話しました。

その日はギター用にPHC-2、ベース用にBPHC-1を貸し出しさせていただき

しばらくライブで使ってみてそれからどれを導入するか考えようと言う事になり、

その後システムに組み込まれたのがPHC-VIC EXTとBPHC-1です。

ギタリスト ユッキー氏のボード
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PHC-VIC EXT
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ご来店以前から導入いただいていたLo-Z to Hi-z Converter
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ファズ用にファズの直前でインピーダンスをHi-Zに変換しています。


ベーシスト seiya氏のアンプシステム
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2PhaseControl D・I BPHC-1
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リリースされたばかりのニューアルバム「Super Strong Magnets」の

レコーディングではエンジニアさんと位相チェックを徹底して行ったそうです。

じっくり聞かせていただきましが全13曲バッチリ位相が整えられていました。


プレーヤー個人だけでなくバンド一体でのこういった取り組みは本当に嬉しいです。

その真摯な姿勢を目の当たりにするとこちらも断然応援したくなります。

ライブをまだ観れていないので次回大阪であれば是非観てみたいです。


機材の位相チェックは事前予約さえあれば無料で診断させていただいてます。

フルセット機材持込はもちろんバンド全体となればスタジオも押さえます。

位相を調べずに音ヌケに悩んで機材をとっかえひっかえし散財する前にご相談下さい。

デモ機の貸し出しも行っております。

お電話または下記メールアドレスまでお問い合わせ下さい。

evaemis@power.email.ne.jp

Hiromi Go Concert Tour 2015 THE GOLD

7月26日大阪フェスティバルホールへ

「Hiromi Go Concert Tour 2015 THE GOLD」

を観に行って来ました。

バックバンドでギタリストである小南数麿氏からのご招待いただきました。

小南氏とはインピーダンスMODのお問い合わせをきっかけに、

今年4月にご来店下さり直接BOSS GT-100のモディファイをご依頼頂いてからのご縁です。

GT-100インピーダンスMOD効果はしっかり手応えを感じて頂けたようで、

その後「FRACTAL Axe-FX ULTRA」をインピーダンスMODご依頼頂けました。

今回の「Hiromi Go Concert Tour 2015 THE GOLD」では、

そのインピーダンスMODした「FRACTAL Axe-FX ULTRA」を使用したツアーです。

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一体フェスティバルホールでどのようなギターサウンドが聴けるのか、

非常に楽しみにしていたライブのひとつでした。

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始まって2~3曲目あたりでライトハンドを駆使したフラッシーなギターソロ、

この音を聴いて「ギターアンプの音がしてる」とすぐ実感。

クリーンサウンドでは「林檎殺人事件」で聴けたキレのあるカッティングサウンドが

アタックの鋭いブティックアンプ系のサウンドそのままって感じで印象的でした。

ギターサウンドの大部分が元の楽曲のイメージを崩さないよう緻密に作り込まれており、

控えめでありながらエレキギターの魅力に満ちたサウンドで、

時折挟み込まれるオブリやグリッサンドといった細かいニュアンスまで聞き取れました。

逆にエフェクティブでゴージャスなディストーションサウンドなどは、

本物のアンプで作る方が難しいんじゃないかと途中で考えさせられるほどでした。


ちなみにリードサウンドはソルダーノ、

クランチサウンドはマーシャルのモデリングを使用しているそうです。

あのカッティングのクリーンサウンドは何か聞いておけば良かった。。

使用して頂いているスタビライザーは「PHC-VIC」です。



以前お伺いしたお話でとあるフェスで演奏後、対バンの著名なギタリストから

「自分もフラクタルを持っているがどうやったらあんな音が出せるのか?」

と質問を受けたことがあったそうです。もちろんフラクタルはノーマルでの話です。

元々それほどの使い手でもあった上インピーダンスMODにより、

実際のアンプと変わらぬ弾き心地やニュアンスが加味された現在、

これにとって変わるツアー機材は中々出てこないでしょうね。


ギターの話ばかりしてしまいましたが、

コンサートそのものも本当に素晴らしかったです。

40年以上第一線でご活躍され100枚のシングルから選りすぐられたセットリストは、

誰もが知っているヒット曲キラーチューンばかり。

観客を飽きさせない演出とステージ構成、

笑いを交えた巧みなMC、
(久しぶりに声を出して笑った)

何よりその卓越した歌唱力とパフォーマンス。

バックを支えるバンドも超一流。

「郷ひろみ」というレジェンドを目の当たりに出来た事は、

一生の思い出となるであろう素晴らしい体験をさせていただきました。

BAROQUE TOUR 2015 OPEN YOUR WORLD AND SEE THE LIGHT

6月27日にBAROQUEの大阪公演を観て来ました。

NEW ALBUM「PLANETARY SECRET」リリースに伴う全国ツアーです。

アルバムに詰め込まれた素晴らしいサウンドが

どう表現されるのかが楽しみな待ちに待ったライブでした。

珍しくカメラを持って行ったので機材の写真を撮らせていただきました。

圭氏のサウンドシステムです。

ギター・アンプ・ラック・システム
(ギターキャビネット上にクリーン用として銀パネTWIN REVERBもセットされています)
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エフェクターボード
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ツアー中もエフェクターの入れ替えが頻繁に行われているようでエライ事になっています。

足元のエフェクターボード
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ギターキャビネット
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位相の制御はもちろんのこと、

ワイヤレスからアンプエフェクトループに至るまでインピーダンスマッチングは完璧です。

機材全ての入出力インピーダンスを調べつくし、

インピーダンスが合わない部分に関しては全てインピーダンスMODしました。

アンプのリターン端子も。
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この部分のMODも劇的な効果が体感出来たとおっしゃっていただけました。

ベースをサポートしているTOKIE氏のエフェクターボード
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こちらも全てEVAで手掛けさせていただいております。

先頭のスタビライザー、出力用のD・Iは特注で製作させていただきました。

エフェクターは全てインピーダンスMOD、

逆相になるエフェクターは正相になるよう処置済みです。

TOKIE氏のサウンドシステムに関しては

ご本人のコメントも含め別の機会で詳しく解説します。



さてリハーサルを一通り見てアルバムの再現度がハンパない事に驚き、

リハーサル後色々お伺いしてみました。

やはり「楽器」の音をPAに伝えるために様々な工夫が施されていました。

専属のPAエンジニアからの提案などをを元に綿密に構築された

バンドサウンドは間違いなく今まで観て来たライブの中でも一線を画しています。

いくらアンプから納得行く音を出してもPA次第で大きく左右される訳ですから、

ライブとして完成させるにはPAとの密接な連携は欠かせませんね。


とにかく!

ジャンルの垣根を越えて一人でも多くの人(特にバンドマン)に

BAROQUEのライブを観に行っていただきたいと言う事に尽きます。

ヴィジュアル系と聞いただけで眉をひそめる様な輩!(僕もその一人でした)

そんな輩はまずアルバム「PLANETARY SECRET」を聴いてみて下さい。

どうやったらこんな音が出せるのか、どうやったらこんな音が録れるのかと、

バンドマンなら考えさせられると思います。



来月また大阪に来ます!

2015/07/17(fri) 大阪MUSE にて「NOVEMBERS」とのツーマンライブです。

詳しくは BAROQUE WEBSITE で 。


BAROQUEのライブを観て思ったのは、

ボーカルもその声をより良く伝える為になんとかしてみたい。

ライブで使えるボーカル用スタビライザー?マイクプリ?のような物。

アイデアはあるので少しこれから実験してみようと思っています。


本当に良い刺激をもらえた素晴らしいライブでした。

ONE OK ROCK 2015“35xxxv”JAPAN TOUR 大阪城ホール

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6月4日「ONE OK ROCK 2015“35xxxv”JAPAN TOUR」を見に行って来ました。

ご担当エンジニアの方を介して今回のツアー前にギターのTORU氏とベースのRYOTA氏

お二人に「PHC-VIC EXT」を導入して頂ける事に。

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ギター・ベースの持ち換えやエフェクター操作による位相反転を制御するのが目的です。

スイッチングシステムからのラッチ信号を使って

プリセットごとに出音の位相を管理する事が出来ます。

TORU氏のシステムには別途2015年版にリファインした

「Final Stabilizer」も試験的に導入いただいております。

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当日の大阪城ホールは3階末席の隅々まで埋まった超満員。

終始ギター・ベースを持ち替えても、様々な音色を切り替えても、

完璧な位相制御で素晴らしい音響空間が構築されていました。

仕事柄「逆相」の音に敏感なので

「ギター持ち換えで逆相」

「エフェクターの切り換えで逆相」

「アンプのチャンネル切り替えて逆相」

「ベースが常に逆相」

などひとつでも気になればライブに全く集中出来ず

ほとんど楽しむ事が出来ないのですが、

大阪城ホールとは思えないくらいの音響空間のおかげで

素晴らしいパフォーマンスに酔いしれる事が出来ました。


終演後TORU氏と少しお話させていただいた際に

「音がめっちゃ前に出るようになりました。」

と、その効果を充分体感いただけていたようなので安心しました。

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プロフィール

evaemis

Author:evaemis
大阪でオリジナルエフェクターやエフェクトボード製作を手掛けるEVA電子楽器サービスです。

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