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そこに鳴る 藤原美咲さんのベースシステムについて「EVA BALANCE PreAmp Type4 製作編」

次に持ち込まれた相談は「音の重心」を下げたいでした。

音の重心を下げたいけれどエフェクターやアンプのEQではどうにもなりません。

こう言う相談は必ず来るであろうと予想しているので直ぐに解決策を。

アンプのセンドリターンにこのプリアンプを入れてコントロールして下さいと。

direct_box.gif
EQ DirectBOX BPHC-EQ

アンプEQで音作りした後にBASS・MIDDLE・TREBLE・SHIFTで補正します。

SHIFTは音の重心を上下出来る他に無いコントロールです。

アンプのセンドリターンはアンプ改造時にインピーダンスの調整をしており、

センドリターンを使っても音ヤセしないように対策済みです。

ここまでがベースマガジン3月号に掲載されていたシステムに至る経緯です。

海外公演も含めこのプリアンプを使って満足行く音作りが出来たので

このプリアンプを是非購入したいと言って下さいました。

そこで更にこの先ぶつかるであろう音作りの問題や音の出し方のコントロールも含め

ずっと考えていた新しい機材の提案をさせていただきました。

type4.gif
EVA BALANCE PreAmp Type4

既に好評いただいているType3真空管プリアンプと外観こそ似ていますが

完全なソリッドステート回路で様々な新機能を搭載した全く新しいプリアンプです。

・入力部を従来のアンバランスでは無くTRSバランス入力を採用(アンバランス使用可)

去年からシステムにバランス接続導入の試験をしておりました。
最初はローノイズに貢献してくれればと考えていたのですが試験いていて思わぬ結果が。
入力の最終段手前で信号をバランス化しこのプリアンプに入力すれば驚くほど音が太くなります。
単純に音が太いと言う表現よりは音が面で出てきます。
アンバランスだと信号が山なりのカーブを描いて伝達されており、
バランス化する事によって今まで再生出来ていなかった帯域がごっそり引き出せます。
イメージ①
画像はあくまでイメージですが低音から高音域に掛けて白い余白の帯域が出てくれます。
このプリアンプ製作と合わせてアンバランス信号をバランス信号にする変換機を製作。
v30_1.jpg
製品名「UBB 30V」
サイズはコンパクトタイプスタビライザーと同じです。
30V動作で高いダイナミックレンジを有します。
これと組み合わせての接続方法は後述。

・EQセクション BASS・MIDDLE・TREBLE・SHIFT(EQバイパス可)位相切替スイッチ装備

アンプのEQではどうしても満足しきれなかった部分を大胆に補正出来ます。
SHIFTを含むEQはON/OFF可能でEQをスルーしたダイレクト音を反映するD・Iとしても機能します。
入力信号の位相切替スイッチも装備しています。

・正相信号のみをブースト出来るKANTER機能搭載(ON/OFF可)

KANTERは正相信号のみをブーストしてくれる世界初の機能です。
正相信号を少しブーストする事でキャビネットの無駄なスピーカーの動きが抑制され
出音が速くなりスピーカーの口径が大きくなっていく様な音像が作り出せます。
爆音にしなくてもベースサウンドの存在感が引き出せます。

・AC100V動作の高音質・高ダイナミックレンジのXLRアウト搭載
(独立した位相切替スイッチとグランドリフトスイッチを装備)

電源部には大径トロイダルトランスを使用し高音質・高ダイナミックレンジ・ローノイズと
ダイレクトボックスひとつを取っても納得いただける音質を持っております。

・XLRアウトにPHASE DELAY機能を搭載しラインとマイキングの位相差を補正可能

ライブにおけるベースサウンドの大きな問題がマイキング音とライン音の位相差です。
ダイレクトボックスを介したライン音に比べマイキングした音は若干送れて伝達されます。
この僅かとも思える位相差(レイテンシー)は外音に大きい影響を及ぼします。
以前から位相をバッチリ合わせてライブに望んでいるにもかかわらず、
客席で聞いていると正相か逆相か分からないほど音が滲んでボヤける事が気になっていました。
外音がおかしいと思って後から検証すると100%ライン音に加えマイキング音を足していました。
この事が分かっていたので藤原さんにはライブは必ずライン音のみで演奏する事。
マイキングの音は絶対に混ぜない事を徹底してもらっていました。
以前藤原さんからライブの時どうも外音がおかしいと思ったら
勝手にマイキングの音を混ぜられていたとの報告もありました。
「PHASE DELAY」のツマミをゆっくり時計方向に回していくと
XLRアウトから出力されるライン音は少しずつ遅れて行きます。
外音を確認しながらライン音とマイキング音のピントがピッタリ合うまで調整します。
これは一人でどうにか操作出来る問題ではないのでバンドメンバーに協力してもらう必要があります。
また必ずマイキング音を混ぜた方が音が良くなるとは限りません。
常にマイキャビネットを運び込みライブが出来る環境であればいいが、
キャビネットはハコの物を使うとなるとキャビの種類やコンディションも毎回バラバラです。
キャビからの音に不満があればあえて外音に反映させる必要もないでしょう。
この位相差(レイテンシー)問題に関しては今後もっと研究する必要があると思っています。

以上このプリアンプが持つ機能を抜粋して紹介させていただきました。

ここからはヘッドアンプとこのプリアンプの接続バリエーションについて

接続パターン①アンプのセンドリターンを使ったアンバランス接続
接続パターン①
この接続方法でも充分このプリアンプの各機能の効果は体感出来ます。

接続パターン②UBB 30Vを使用しバランス接続
接続パターン②
赤いラインはTRSバランスケーブルを使用します。
一気に音が面で出て来るのを体感出来ます、バランス接続出来るプリアンプの本領発揮です。
こうなるともうプリアンプではなくポストアンプですね。

接続パターン③ヘッドアンプのパワー部のみ使用しプリアンプのみでサウンドメイキング
接続パターン③
ヘッドアンプのプリ部を通さずエフェクターボードからダイレクトにプリアンプへ接続します。
ヘッドのプリアンプ部を通した音と通さない音では当然大きな違いがあります。
UBB 30V無しでも問題無く使用出来る接続方法です。


現在スタジオで試した接続方法は以上ですが

アイデア次第でまだまだサウンドメイキングの幅は広がりそうです。

先日「そこに鳴る」のスタジオにお邪魔して3つの接続方法を試してもらった結果、

藤原さんは接続パターン②を選んでエフェクターボードのセッティングも見直していました。

まだ使い始めたばかりですので今後セッティングを詰めて行けば変わる可能性もありますね。

今回藤原さんと半年以上掛けて音作りしてきた集大成がこのプリアンプです。

音色をイジるのでは無く、位相・SHIFT・KANTERで出音を上下に前後に動かして音作り出来ます。

音色だけではどうにもならない部分に大幅に手を入れる事が出来たので、

ライブでのベースサウンドメイキングを大きく前進させる事が出来るのではないかと思います。

もちろんレコーディングでも大いに活用出来ます。

藤原さんだけでなく「Cö shu Nie」のベーシスト松本さんには1号機が完成してから

スタジオで実際に「Cö shu Nie」のツアーリハーサルと合わせて色々な接続パターンを

アンサンブル内で試させていただく事に協力していただきました。

その1号機は「□ Cö shu Nie Tour 2019 □ ”Daring Transition"」ツアーで

一足先にライブの現場で使用されています。

松本さんの機材もライブで使った感想も含めて

また改めてブログにて紹介させていただきます。
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そこに鳴る 藤原美咲さんのベースシステムについて「エフェクターボード・アンプ・ワイヤレス編」

事前にギターもベースもしっかり位相を合わせた上で

去年7月末に初めてライブを観させていただきました。

ライブを観た上で感じたサウンドに関する問題点や課題を正直にお伝えしました。

・同期とドラムサウンドに負けていてギター・ベースの存在感が奥まっていて薄い

・歪みのエフェクターを3種類使い分けているが聞いている側ではその違いが全く分からない

・音の輪郭がボヤけていてせっかくのテクニカルなフレーズが聞き取りづらい


志雄さんのドラムはトリガーも使いキックの音が輪郭も

ハッキリしていてがバシバシ前に面で飛んで来る、

同じく同期も音が面で飛んでくるのに比べ弦楽器隊は音が点で鳴って飛んで来ない。

バンドとしての演奏は非常に高度でテクニカルなのに

ライブでその実力とサウンドが比例せずもの凄くもったいなく感じたので、

エフェクターボードとヘッドアンプ全てに手を入れる提案をさせていただきました。

エフェクターボードとアンプにどう手を入れたのかは

以前ブログに記事にした内容をそのまま実行しました。

「ベースシステムについて」←クリック

2018年3月のブログです、合わせてお読みいただければと思います。

このブログ内容にあるアンプヘッドまで含めたサウンドシステムの構築です。

去年の9月に機材をお預かりし一気にエフェクター全てをアンプをモディファイしました。

手を入れた機材のサウンドを確認する機会は10月のツーマンライブでした。

じっくりサウンドチェックも出来るのでリハーサルからお邪魔しました。

ひとつ気になっていた点がベース本体と

ワイヤレスのインピーダンスマッチングの問題です。

ベースはアクティブで使用しておりワイヤレス送信機とインピーダンスが合いません。

ベース本体アクティブLo-Z出力→ワイヤレス送信機Hi-Z入力。

ベースをパッシブで使用すると

Hi-Z出力→ワイヤレス送信機Hi-Z入力でマッチングします。

ワイヤレス受信機もアクティブ専用と割り切って

インピーダンスMODしようと試みたのですが、

最近の送信機の小型化はすさまじく基盤に手を入れる余地が無く諦めていました。

まぁ1箇所くらいインピーダンスが合わなくても大丈夫だろうと思っていました。

リハーサルで一度アクティブとパッシブを切り替えて音出ししてもらいました。

私自身はやっぱりパッシブでワイヤレスとのインピーダンスが

マッチングしているサウンドの方が良いと思ったのですが、

アクティブサウンドの方がバンドに合っていると藤原さんと鈴木さんの意見を尊重し、

その日のライブはアクティブで演奏しました。

しかしいざライブが始まって聞いていると確実にベースサウンドは良くなっているのですが、

同じく手を入れたギターサウンドに比べ所々音に不明瞭な部分があり凄く気になりました。

後日再び機材をEVAに持ち込んでもらいひとつテストをしてみました。

ベースとワイヤレス送信機の間に「Lo-Z to Hi-Z Converter FS-2」を挟んで

強制的にインピーダンスマッチングを取る方法と

パッシブに切り替えて直でマッチングする方法。

やはりパッシブで直に送信機と?ぎマッチングさせた方が

弾き心地としてしっくり来るとの結果でした。(タッチがしっかり表現出来る)

一度パッシブに切り替えて音作りを見直そうと言う事になりました。

それからライブを毎回PAブース辺りからカメラで撮ってもらい

その都度会場での音を動画で確認させてもらいました。

間違いなくパッシブで演奏している音の方がギター・ドラム・同期に負けず

ハッキリとした輪郭で音が前に飛んでいる事がカメラ越しでも確認出来ました。

以前アクティブで演奏していた頃の動画と比べてもその違いはよく分かりました。

考えてみれば最初っから音ヤセした状態で音作りしているのですから当然の結果でした。

その後も藤原さんから色々なサウンドメイキングの相談が寄せられます。

それを一気に解決してしまおうと藤原さんに提案し新しい機材を開発する事になりました。

もうすぐ完成します。

つづく

「ベースシステムについて」

これから書く内容は主にライブをするプレイヤー向けのお話です。

ベーシストが楽器店でエフェクターなどを選ぶ場合100%アンプに繫いで試奏しますよね。

またエフェクターボードに並べたエフェクターで音作りする場合

スタジオなどでアンプで音出ししながら音決めしますよね。

ライブのリハーサルでもアンプから音を出しながら音決めしますよね。

でもそのアンプから出ている音って何パーセントくらい外音に反映されていますか?

会場によってはマイキングすらされずD・Iを介したライン音のみの場合もあります。

EVAへ直接ご来店いただいてベースシステムのご相談を受けた場合、

まずベース本体とエフェクターボードの位相を調べます。

位相を調べきちんと管理した上「正相」でプレイするのは

イロハのイなのでここからスタートです。

今まで「逆相」でプレイしていたと分かったらまず位相を合わせる。

これだけで音の悩みが一気に解決される方がほとんどです。(音ヌケのお話)

ここからが本題です。

ベースシステムはまずベース本体からD・Iまでのラインを整備しましょうと言うご提案です。

位相は音の方向、インピーダンスマッチングは音の経路の整備です。

音の方向である位相を切り替える製品は当社の各種スタビライザーまたはD・Iで行います。

ベース→エフェクター→D・Iまでの音の経路を整備する=インピーダンスマッチングです。

パッシブベースの出力信号はハイインピーダンス(以下Hi-Z)で

非常に微弱で外来ノイズの影響を受けやすい信号です。

この微弱なHi-Z信号をスタビライザーを通し

ノイズの影響を受けにくいローインピーダンス(以下Lo-Z)信号へ変換します。

問題はこの後エフェクターを繫いで行くとインピーダンスマッチングの問題が起こります。

スタビライザー(バッファ)などでインピーダンスを下げたLo-Z信号が

エフェクターのインプット(Hi-Z)に入るとローカットが起こります。

これが音ヤセの根本原因です。

普通のエフェクターの入力値は大体1MΩですが、

エフェクターを通過しLo-Zに変換された信号は大体1kΩです。

出力された1kΩの信号が次のエフェクター入力1MΩに入力されます。

ピンと来ないかもしれませんが1,000Ω(千オーム)と1,000,000Ω(百万オーム)です。

水道管と土管を無理矢理繫げようとしているようなものです。

この根本原因を解決する方法がインピーダンスMODです。

エフェクターのインプットの値をHi-ZからLo-Z専用に改造します。

本来エフェクターなりアンプの受け口がHi-Z(土管サイズ)でいいのは

ベースを直接入力する一つ目の受け口のみです。

※出力そのものがLo-Zのアクティブベースは

そもそもどこに繫いでもインピーダンスが合わない楽器です。

ベースのHi-Z信号を一旦スタビライザー(バッファ)で

Lo-Z信号(水道管サイズ)に変換したら、

D・Iまでの経路の音漏れ(音ヤセ)を無くして同じパイプ径で

繫いでしまおうと言うのがザックリしたイメージです。

P1060144.jpg

この画像は最近エフェクターからD・Iまで全て手を入れさせていただいた一例です。

D・Iを含めた8機種全てインピーダンスMODを施しました。

さらに8機種のうち4機種がエフェクトONで位相が

反転してしまうので反転しないよう位相反転処置も施しました。

お使いのエフェクターの中にはスタビライザーに相当するバッファもあったのですが、

ゲインが上がってしまう構造で音質変化も著しかったので

現在スタビライザーに入れ替えを検討いただいている所です。

直接ご来店いただけたお客様にはよくライブを動画に撮って

客席でどんな音がしているか確認してみて下さいとお話しています。

ライン音源ではダメでPAブース辺りにカメラを置いて

エアーで撮った音を確認してほしいのです。

まず逆相だとベースサウンドがボケボケモヤモヤで

何を弾いているのか分からないはずです。

正相なのに音の線が細い、

存在感が薄い、

音が遠い、

エフェクターON/OFFによる音の変化が分かり難い、

この辺りの問題はインピーダンスに起因しています。

インピーダンスマッチングしたシステムでは

ベース本来の音の太さとエフェクターで作りこんだサウンドが

滲まずホヤけずエフェクターON/OFFでのメリハリを保ったまま、

まるで目の前で弾いてもらっているかのようにダイレクトに客席に届きます。

アンプでバッチリ輪郭のあるエッジの効いた音作りしたのに

録画を見ると作った音(意図していた音)と

全然違ってるって経験があると思うんですけど。



どうしてもアンプで音を作りこみたいってプレイヤーの方、

最近は小型軽量のベースアンプヘッドが

沢山リリースされていますし思い切って導入してしまうのもアリです。

D・Iも搭載されている物がほとんどですので

アンプのインプットをインピーダンスMODします。

アンプ内蔵D・Iまでインピーダンスマッチングしたシステムを構築します。

そうすればアンプで作りこんだ音をアンプ内蔵D・Iを介して外音に反映されますし、

もちろんキャビネットからの出音も新たな次元の出音が体感出来ます。

D・Iを買う必要もありません。


最近は沢山のエフェクターを組み込んだ大きなエフェクターボードを

持っておられるベーシストも珍しくありません。

いきなり全てのエフェクターに手を加えて

スタビライザーとD・Iまで導入となると予算の問題もあるかと思います。

結局段階を経る形になりますがまず何から導入するべきか、

どこから手を加えるべきかなど効果的な順番は

システムごとに違って来ますのでまずはご相談下さい。


竿を買い替える、

エフェクターを入れ替える、

アウトボードプリアンプを何台も使い分ける、

音の悩みの解決策を模索しているとどうしても

目先の音色変化を追いかけてしまいます。

一度システムを見直す機会として音の方向(位相)と

音の経路(インピーダンスマッチング)に手を入れて

音の出方そのものをコントロールしてみませんか。

初期投資こそ大きく感じられますが

結果的に一番コストパフォーマンスが高く

出音向上の費用対効果にご納得いただけるかと思います。


この記事に関するお問い合わせやご相談は下記アドレスまで。

evaemis@power.email.ne.jp

SCHON NEW SYSTEM BOARD 製作記 その③

今回のシステムで実際に踏んで操作するのはMS-3とワウだけです。

ツマミを操作するエフェクターは2階建てのトレイに設置します。

パワーサプライとMINI AMP GIZMOは中2階を組んでギリギリのスペースに設置しました。

IMG_0137.jpg

右奥のオレンジラベルのボックスが

IN・OUT・SEND・RETURN・AMP CONTROLを纏めるスルーボックスです。

スルーボックスのケーブルはボックスの底からボードの底を潜り中2階の下から出します。

ボードの裏側に音声ライン・MIDI・アンプコントロールの中継ターミナルを組んで、

ボード上にあるエフェクター類に接続していきました。

スルーボックスにプラグを差さなくて済む分省スペースに貢献しています。

ボード上のエフェクター全ての電源は青いPPS-1が担いますので、

PPS-1付属のACアダプター1個をコンセントに差すだけで電源投入完了です。

MINI AMP GIZMOでアンプチャンネル・アンプエフェクトループON/OFF・

PHC-VIC位相ラッチ切替・BackingerPROボリューム切替の5つのラッチを制御します。

P1050669.jpg

P1050680.jpg

トレイにあとひとつエフェクターを載せるスペースがあったので

気にって使っていただいているFinalDriverをとりあえずとして搭載しました。

信号経路はスルーボックスINPUTからPHC-VIC→ワウペダル→MS-3 INPUTへ。

MS-3 LOOP①にFInalDriver

MS-3 LOOP②にPEAVEY5150Ⅱプリアンプ部
LOOP②SEND→スルーボックスOUTPUT
スルーボックスSEND→LOOP②RETURN

MS-3 LOOP③にBackingerPRO

MS-3 OUTPUT L→スルーボックスRETURNへ。

これでMS-3を機軸とした4ケーブルメソッドシステムの完成です。

8月に完成したこのシステムは早速現在サポートギターを勤める

OLDCODEXのツアーで使用されています。

IMG_0224.jpg
スルーボックスにはマーキングが施されています。

IMG_0225.jpg

IMG_0226.jpg
アンプが使用出来ないイベント出演などではKEMPERを使用。
会場によってはアンプの音にKEMPERのサウンドをMIXして使う事もあるそうです。

IMG_0217.jpg
アンプとキャビネット
アンプのアクリルパネルは取り払われ純正スチールネットのみの無骨な見た目に変貌しました。
キャビネットにはCELESTION VINTAGE30とELECTRO VOICE EVM12Lを搭載。
スピーカー個々にマイキングしMIXした音が外音に反映されます。

忙しいリハーサルの合間を縫ってシステムの動画を撮っていただきました!

スマホのカメラで撮っただけ、
アンプのサウンドのみでKEMPERは鳴っていません。

CLEAN・CRUNCH・LEADの各チャンネルのサウンド、

位相反転処置を施したワウのサウンド、

MS-3内蔵のクリーンブーストとディレイを使用したリードソロサウンドは

BackingerPROでバッキングとソロ音量を瞬時に切替しています。

ワウが時折トーキングモジュレーターっぽい

肉声に近いサウンドを出しているのには驚きました。

小さいだけで選んだのがきっかけでしたが

使用感もサウンドも大変お気に入りだそうです。

同じ物を揃えて同じように繫ぐだけでは絶対マネ出来ないサウンド。

完璧な位相制御とインピーダンスマッチングにより実現出来ます。


この記事に関するお問い合わせやご相談は下記アドレスまで。

evaemis@power.email.ne.jp

SCHON NEW SYSTEM BOARD 製作記 その②

今回は手を入れたエフェクターとアンプについてです。

HOTONE SOUL PRESS ワウペダル
soulpress_1.png
このワウに限った事ではありませんが、ほとんどのワウペダルはON時に位相が反転します。

この位相反転してしまう構造を反転しないようにモディファイします。

普通のワウの筐体なら内部に余裕スペースも広く

写真のように位相反転処置のボックスを組み込めます。
P1050839.jpg
このワウには全く余剰スペースが無いのでこのボックスが組み込めず、

ボックスを解体してほんの少しの余剰スペースを利用しながらなので大変でした。


BOSS MS-3
P1050602.jpg

今回のシステムでは5150Ⅱとの4ケーブルメソッドで使用します。

手元に届いてすぐにアンプと4ケーブルメソッドで結線し鳴らしてみました。

うーん、ディレイやリバーブの音がちゃっちぃ。。
P1050613.jpg
しかしこれはMS-3の問題では無くてアンプとの入出力の

インピーダンスが合わない事から起因する問題です。

取り扱い説明書のダイアグラムを見るとバッファが2つ内蔵されています。
MS-3ダイヤグラム_2
このハイインピーダンス入力の内蔵バッファ2つをインピーダンスMODしました。

これでMS-3の入出力全てローインピーダンスで統一されました。


PEAVEY 5150Ⅱ
P1050607.jpg
SCHON氏が長年愛用しているメインアンプです。

多くのチューブアンプはINPUTだけで無くエフェクトリターンもハイインピーダンスです。

MS-3との4ケーブルメソッドを完成させるにあたって

アンプのインプットとエフェクトリターンの2ヶ所にインピーダンスMODを施します。

4ケーブルメソッドシステムを構築する上で

この2ヶ所のインピーダンスマッチングは非常に重要です。

エフェクター全てをインピーダンスMODしても

この2ヶ所がノーマルのままですとその効果は半減してしまいます。

インピーダンスマッチングの効果が最も体感出来るのは

この2ヶ所と言っても過言ではありません。



システムの先頭にはPHC-VIC 30Vを配置しますので

ギターのハイインピーダンス信号はPHC-VIC 30Vでローインピーダンス化されます。
phc-vic 30v
これ以降はMS-3と5150Ⅱの入出力全てローインピーダンスで

インピーダンスマッチングし繫がれる事になります。

あとはボードに組み込んで完成です、ここまでの下準備が大変でもあり最も重要です。

ボード完成はまた次回ご紹介させていただきます。



この記事に関するお問い合わせやご相談は下記アドレスまで。

evaemis@power.email.ne.jp
プロフィール

evaemis

Author:evaemis
大阪でオリジナルエフェクターやエフェクトボード製作を手掛けるEVA電子楽器サービスです。

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